#7【技巧派セットアッパーがつなぐバトン】近藤聡選手

 現在セ•リーグ首位を独走する巨人と、一方最下位に甘んじる阪神。両者の明暗を分かつ要因のひとつに投手陣の盤石さが挙げられるのではないか。巨人では、6戦6セーブの大勢、5試合無失点の鍬原、自責点ゼロの今村に戸田を加えた救援投手4人が大車輪の活躍を見せている。ともすると陰の立役者の印象もあるセットアッパーが試合の勝敗を決めているといっても過言ではない。

 そんなセットアッパーに自身の活躍の場を見出した選手がいる。大学時代に圧倒的な実力を持つ投手陣との競争を強いられることとなった近藤聡選手(31)だ。
近藤選手はボーイズリーグ鴻池オーシャン、大阪府立門真なみはや高校を経て大阪体育大学に進学。野球王国大阪で球春を過ごした。高校時代はエースとして活躍した近藤選手であったが、大学進学後に大きな壁にぶち当たることになる。
「大学の同期に現中日ドラゴンズの松葉貴大、元楽天イーグルスの宮川将がいました。正直、彼らを押し退けて試合に出ることは想像できませんでした。」
そんな投手陣の中で活路を見出したのは、両投手を支えるセットアッパーとしての役割であった。近藤選手は、速球派の先発投手陣を引き継ぐ技巧派左腕として1年春からリーグ戦に登板。3年時に肩の故障に悩まされることとなったが幾度となくチームのピンチを救った。
「投手は先発ピッチャーに光が当たりがちですが、一人では勝てません。9回終了までバトンをつなぐセットアッパーの役割は重要だと考えています。」

 近藤選手は現在大阪府のチーム”新撰組”で汗を流す傍ら、府立の支援学校の教員とReformaOsakaBaseballで野球体験イベントの企画・運営を行っている。
「新選組では全員野球で2021年ミズノカップ、プライドジャパンドリームカップで優勝することができました。今年も上位目指して取り組んでいます。
一方、自分自身の経験を伝えるという意味ではReformaOsakaBaseballの活動を通して野球をする子どもたちを1人でも多く増やせればと考えています。高校野球には携われていませんが、今後府立高校でも高校野球の指導をしていきたいですね。
それが実現した後ですが。。自分が野球の指導に関われなかったもどかしさがをあるので、野球の経験を伝えたい指導者と選手をうまくつなげられるようなサポートもしていければと考えています。」
 野球人たちの想いをつなぐセットアッパーとして、近藤選手は奔走する。

主な球歴ボーイズリーグ鴻池オーシャン-大阪府立門真なみはや高校-大阪体育大学-新撰組
(2021年ミズノカップ、プライドジャパンドリームカップ優勝)

(2022/04/08)

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