#9【小柄な大打者が放つ大飛球の魅力】野々川裕也選手

 高校野球を経験した人なら誰しも一度は甲子園でホームランを放つ自分を想像したことがあるのではないか。2008年8月7日、観衆2万2千人が見守る中、センターに放った大飛球がバックスクリーンに突き刺さった。
「甲子園でのホームランはたまたまです。野球を初めて20年経ちますけど昔も今もずっと打てないので。笑」そう語るのは東邦高校の4番として甲子園の大観衆を魅了した野々川裕也選手(31)だ。

 野々川選手は愛知県出身。現中日ドラゴンズの堂上直倫も所属した名古屋北リトル・シニアで野球の基礎を学んだ。高いレベルでの野球を求めて、高校は愛知の名門東邦高校へ進学。小柄な体格ながら2年時には柱軸を任され、3年時には4番を務めることとなる。3年夏には甲子園に出場、北海高校との一戦ではバックスクリーンにホームランを放つなどその打棒を振るった。立命館大学進学後は副主将としてチームを牽引、関西学生野球リーグを制し日本選手権出場に貢献した。その後、社会人チーム菊水化学工業でも左の強打者として活躍を続けた。

 現在は名古屋を拠点に活動するBRONZEに所属し、プライドジャパンオープン大会等での上位入賞に向け汗を流している。
「草野球を始めて10年弱ですが、たくさんの人と出会いうことができました。そこで出会った人との繋がりは自分にとって凄く貴重で、大切にしていきたいものとなっています。
BRONZEには友人から誘われたことがきっかけで加入したのですが、生活の一部というか。。朝起きてBRONZEのことを考え、夜寝る前にBRONZEのことを考えています。笑
ただ勝つことを目指すだけでなく、周りのチームや選手達からBRONZEと戦ってみたい、一緒にプレーしたいと思われるような存在になりたいですね。」
取材の中でも自分の成績よりもチームメイトや関わる人たちを重視する姿勢が印象的だった野々川選手。左打席から放たれる大飛球は仲間への想いを載せた分、一層大きな放物線を描く。

主な球歴名古屋北リトル-名古屋北シニア-東邦高校-立命館大学(副主将)-菊水化学工業-BRONZE

(2022/04/10)

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