#10【頂点を知る男の日本一への再挑戦】武井友孝選手

 春の選抜高校野球で圧倒的な力を発揮して優勝した大阪桐蔭高校。激戦区・大阪の覇者としての実力は誰もが認めるところであるが、かつて同地区で存在感を放っていたのは、桑田真澄や清原和博ら数多くのプロ野球選手を輩出したPL学園高校であった。最後に甲子園に出場したのは2009年の夏、3回戦で県立岐阜商業高校に敗れ甲子園の舞台から姿を消した。

 「高校時代は怪我をしたこともあり、自分の中では活躍しきれなかったという悔しい想いがあります。」
そう語るのは、捕手としてPL学園高校の2009年甲子園春夏連続出場を支えた武井友孝選手(30)だ。武井選手は大阪西ボーイズからPL学園に進み、強者がひしめき合う大阪でエリートコースを歩んだ。PL学園ではサブプレーヤーとしての出場がメインであったが、最終戦となった県立岐阜商業との一戦でも犠打でチャンスを広げるなど献身的なプレーでチームを盛り上げた。高校卒業後は、名門明治大学に進学。現広島東洋カープの野村祐輔ら毎年プロを輩出する強力投手陣を裏で支えた。

 「社会人になって一時期は野球から離れていたのですが、、また日本一を目指したくなり野球チームを作りました。今では軟式野球の魅力に憑りつかれています。」
現在は球通ベースボールクラブで、前監督から監督を引き継ぎ、プレイングマネージャーとして、優勝を目指してチームメイトと共に汗を流している。
「草野球というと真剣味にかけるイメージもあるかもしれませんが、本気で日本一を目指して活動しています。チーム自体は学生時代に強豪チームで活躍した選手たちも多く在籍していますが、それだけでは勝てません。日々試行錯誤しつつ野球を研究しています。
また、学生野球と違ってチーム運営自体に難しさを感じる場面もありますが、だからこそ挑戦しがいがあると感じています。草野球で自分がこれまで経験した野球を表現しつつ、将来的には野球サロンなどでの発信を通して業界の底上げにも貢献していきたいですね。」
学生時代に頂点を極めた男は更なる高みを目指し、草野球での頂点に挑戦する。

主な球歴大阪西ボーイズ-PL学園高校-明治大学-球通ベースボールクラブ
(2009年甲子園春夏連続出場、2011年明治神宮大会優勝、2013年明治神宮大会準優勝)

(2022/04/18)

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